真鶴まちなーれ
フランスのブログなので、できるだけフランス語で
書いてやりたいところだが、やはり胸の奥底のことを
書こうと思うと母国語でないと書き記せない。
今日2019年3月20日真鶴町に行った。
なにをしに行ったかというと・・・
真鶴まちなーれ という現代アート+手作り作家さんらの
ワークショップを期間限定(2019年3月9日〜3月24日)で
おこなっていて、連日午前10時と午後2時に
アートと町を巡る特別な鑑賞ツアーというのを
やっているのだ。
『アートと町を巡る』という文言に惹かれて
今日その鑑賞ツアーに参加をしたというわけ。
***
世間でよく耳目する学芸員による作品解説ではなくて
『町を巡る』という文言がつくには理由(わけ)がある。
真鶴町には『美の基準』が敷かれている。
美の基準をひと言で言い表すのはむずかしい。
なぜならば、建築基準法にもとる基準ではなくて
非常に抽象的だが町の息吹きの根幹をなしているもの
ツアー参加者に『美の基準』も感じられるような
構成になっている。美の基準は、自分が感じた考えに従えば
町内を構成する要素で、これだけは時代が変わろうと譲れない
という、いわば、魂(たましい)のようなものだ。
それは「こちらが『美の基準』になります」と具体的な物質を
ポンと展示できるものではなく、空気のように目には見えない
けれども、そこには確実に存在するものなのだ。
したがって、町内を歩きまわって、そこに暮らす住民とふれあって
五感で感じとってもらうよりほかに方法がないのだ。
町巡りとアート鑑賞、どちらに主眼が置かれているかというと
誤解と偏見を恐れずにいうと、今日ツアーに参加した限りでは
自分は主が『美の基準』を感じとること、
『作品解説』は従だと感じた。
まちなーれは現代アートが展示されている。現代アートは
自由な解釈が許され、見る人によって解釈はまちまち
作品の好き嫌いも分かれる。だから自分は現代アートは
大好きだ。
神奈川県内の市町村において
『美の基準』を敷いているところは真鶴町ぐらいなものだろう。
それだけに真鶴町にておこなわれるイベントと
『美の基準』は切っても切れない関係で、今後もつきまとって
くるのではと思う。
見る人によって好き嫌いが入り込む余地は感じられるが
そこに独特な町の魅力を照らしだしている。(END)